石屋 幸児の日記

いい墓地・いい墓石に関する情報、石に関する知識、
イベント開催の情報など、三代目山田幸児が日々綴っていきます。

お墓は何故必要なのでしょうか?

昔より、人が亡くなると、生命の誕生とされる大地へ還す(土へ還す)として埋葬されてきました。
そもそもお墓はなぜ必要なのでしょうか?

突然ですが皆さん、亡くなられた仏様の魂はお位牌(いはい)とお墓のどちらに宿っていると思いますか?
日本にも飛鳥時代に伝わったとされる、中国社会の礼に関する諸説を集めた『礼記(らいき)』という本の中に書かれている内容ですが、『人は亡くなると、魂気(こんき)は天に還り、形魄(けいはく)は地に還る』とあります。
これは、人が亡くなると目に見えない精神の魂は天に還り、形(肉体)ある魂(白骨)は大地に還る。だから二つの魂が宿るということです。

つまりお仏壇にご安置したお位牌には精神の魂が宿り、お墓には肉体の魂が宿るということなのです。
このようにお墓にも大切な意味があるのです。
そして、お盆にはご先祖様が家に帰ってくるといいます。
お墓に行き灯明を家に持ち帰り、精霊棚(しょうりょうだな)のお位牌前の灯明と一つにすることで、無事ご先祖様がわが家へ帰ってくることができるのです。

私たちが今、豊かな明るい家庭を営んでいられるということも、ご先祖様がいて、そのおかげで自分が存在しているからなのです。
だからこそ、ご先祖様に感謝するという気持ちを持ち続けなければいけないのです。
お墓とは、ご先祖様に感謝の気持ちを伝え、また自分の近況を報告するなど、ご先祖様と語り合う場所なのです。
また、ご供養することの大切さを子孫代々伝えていく場所でもあります。

現在では、新しい風習として『散骨(さんこつ)』という言葉を聞いたことがあると思います。これは亡き人の遺言などでお骨を海や川、山などに撒く葬送のことです。
墓地や埋葬に関しては『墓地、埋葬等に関する法律』というものがあり、その中では、「埋葬または焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域で行ってはならない。」という規定があります。
しかし、節度を持って行う限りは問題ないということで、所轄省庁でも一部を認めています。
散骨は故人の遺言であれば、その願いを叶えてあげることも大切ですが、お骨には魂が宿っているわけですから、お墓に埋葬し大地へ還してご供養し、一部を散骨してあげることが望ましいと思います。

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2017年1月14日